日々、グラフィックデザインについて考えたことなどを書いています。
読んでいただければ幸いです。

5月7日代々木公園で撮影会がありました。

3週間前から車椅子にカメラを固定するための器具を取り寄せ、リハーサルに出かけましたが、カメラの位置が思うように行かず悩みました。ビックカメラで小さい三脚をみつけ、机の上に三脚をたてる方法で二回目のリハーサルに出かけたところ、思いがけずカメラの向き・高さも変えられ、これは使えると実感しました。

当日カメラと三脚をもって撮影会に望みましたが、いざファインダーを覗いてみると、車椅子で撮影出来る範囲が予想以上に狭いことに気付きました。もう少し右、もっと下から・・・と思ってもそうはいきません。カメラも十分使いこなしていないこともあり、なかなか思うようにいきません。はじめてのことばかりで苦戦しましたが、何とか撮影会は終わりました。プロが撮った写真の素材集が沢山出ているのに、こんなに苦労して写真を撮る必要があるのか・・・と考えてしまいました。が、しばらくしてカメラのファインダーを覗く意味が少し分かったような気がしました。

写真を撮るということは物をよく観るということで、外にいる時にあの風景いいなとか、こんな構図は・・・と、ふと思っている自分に気が付いたのです。実際にファインダーを覗くという行為がなければ、このことは学べなかったと思っています。

(2003.7.15)


約3ヶ月前から課題の一つに意見広告の作成があります。どのような場所に貼るか、紙のサイズはどのくらいにするかを想定して、素材集の中から絵を選び出しコピーを考えポスターを作っていきます。正直、この課題は自分にとってかなり大変な作業です。なぜならこれこそ「デザインとは考えること、提案すること」の基本的な作業だからです。

これまでに
  「心の時計を外してみよう」
 ―ゆとりある生活を目指して
 「見えない汚れは無関心?」
 「寂しい・・・。」
 ―ひとりぽっちをなくそう

などコピーを考え絵を選び、文字の大きさ、フォントも考えながら作っていましたが、あることに気が付きました。自分自身の考えが強い物はイメージが膨らみ、作業にそれほど時間がかからないのですが、自分の中で矛盾を感じながらも時間切れで持っていってしまったものは先生からも酷評。感じる物があって、自分の頭の中できちんと整理し自分の言葉で語れば、少しは説得力を持つということでしょうか。まだまだ解釈が精一杯で、提案などというところにまでとても行き着けません。それができるようになるにはどのくらいの時間がかかるのか、果たして出来るようになるのか・・・。毎日の生活の中でどんな体験をし、どのように感じ、どう考えるか、その積み重ねが大切だと改めて思いました。

(2003.4.13)


グラフィックデザイナー養成講座では、毎回先生からいくつかの課題(宿題)がでる。その中で必ずでる課題に、「広告のプレゼンテーション」がある。

デザイナーの仕事は、クライアントが要求する広告をつくることである。それはB全判の大きいポスターであったり、ちらし・新聞広告・雑誌広告などさまざまだ。自分がデザイナーでその広告をつくったと仮定し、他の人がクライアントになってその広告を採用してもらうためのシミュレーションである。実際の現場ではクライアントと意見が分かれることなどよくあると思うが、ここでもクライアントから「文字の大きさはそれでよいか?」「商品のイメージにあった色か?」などいろいろ質問される。家で質問に対する答えもあらかじめ考えていくのだが、予測もしない質問もあり答えに詰まる場面も多い。一度あまりできの良くない写真を指摘され、「予算がありませんでした。」と答えたこともあった。

日産フェアレディZ、丸ビルリニューアルオープンの新聞広告のプレゼンテーションをした時も、自分の考えがまとまらず説得力に欠けていたと強く感じた。その後フェアレディZは予約数ヶ月待ちという好調な売り上げを伸ばし、また丸ビルは予想を遙かに超える客数で賑わっていると聞く。自分でつくった広告ではないのに、なぜかうれしい気持ちになるのが不思議だ。

(2002.11.13)



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