短期デザイン講座 第2回 (吉田)
2008年02月24日 吉田 発
第2回目の講義では、第1回目の課題をうけて「自分の名刺とレターセットのデザイン」の提出とプレゼンがありました。東京の冬は厳しい寒さが続いていますが、この日は教室内にも日差しがふりそそぐ暖かい一日です(遮光してしまうのがもったいない…)。そんな雰囲気もあったのでしょうか、初対面となった前回講座とは変わって、出だしから和やかなムード。3名の受講生がそれぞれの成果物を机に並べ、各々に配布します。プレゼンに入る前に、西田克也講師からふたたびプレゼンのヒントとなる体験談話が淡々と…。これは今後の講座の中でも恒例化しそうです。テーマ自体はよくありがちでオーソドックスなものですが、「自分自身が独立したときをイメージすること」、そして「頭に描いたことを媒体へ反映させて伝えていくこと」を組み立てていくことは決して簡単なものではなく、課題にはみなさん少なからず苦労をしたとのこと。それでも「成果物」には、パッと見た瞬間、惹きつけられるものが…。まずはそんな印象をうけました。
古関さんの作品は、仏教の言葉とその由来をヒントに屋号を決め、それをアルファベットに置き換えてロゴを作成。佐久間さんは3つの案を用意し、自らの得意とする分野や独立の夢をデザインの細部に込めたと語り、松下さんは自身の名前からマークとネーミング考察し、ロゴの配置や大小バランスにも工夫を凝らしてきたことを説明。「なぜこのキーカラーにしたのか」「書体にこめられた意味は」「この構成にはこんなメッセージがある」などといったプレゼンのほかにも、便箋の折り目をわかりやすくするラインをデザインに取り入れるなど、ほかにも使う人の利便性も意識したという作品も披露されました。
次に、この講座の特徴でもある「合評」。講師が話す前に、受講生同士が質問・感想・回答・意見を話し合います。ここでは内容はもちろんのこと、量的なものも問われています。もちろん、デザインのスキルにおいて必要なポイントについては、受講生同士の合評がひととおり終わってから、講師が解説をしていきます。総じて講師の評価は高く、講師自身も驚いたとのことですが、それでも厳しい指摘も忘れていません。今後さまざまなクライアントと接していくことを想定し、伝えるべきことや問われる内容、そして改善すべき点を確認しあいながら、第2回目の講座も実りある中で終えることができました。
次回講座までの課題は「アートビリティ作品をつかったコンサートポスター・チラシ」です。講師を仮想クライアントに見立て、実際に行われるクラシックコンサートの案内ポスターをクライアントに提案するというものです。納期や体裁にも諸条件が課せられ、次回はより高いハードルになりますが、どんな講座が展開されるのか、非常に楽しみです。
参考サイト
es-team「グラフィックデザイナー養成講座の記録」(2001年?04年に実施)